Farewell, my 2012.

神の子イエス様のご生誕日ですが、わたしにとっては
(というか、だいたいの日本人にとっては)年末のいち平日です。
実家でこたつにあたっていると、頭の中が年越しモードに切り替わり始めました。キリキリ。
年齢ではなく西暦で物事を考えるのが習慣なので、まさに今がその時。
昆布茶でも飲みながら、今年の反省をしよう。
 
今年は例年より興味深い経験をすることができたと思います。
 
春が来るまで、バタバタと引越しの準備をしながら、自分のした決断を思い直しては悩み、
その度にたくさんの別れを告げました。
夫に、二人の生活に、二人で見てきた世界に。
さよならと言えるうちは一緒にいられるんだ、という実感は私の心を甘く溶かしましたが、
溶けた心は絶望の淵からこぼれ落ちていきました。
大切な物を、日を追うごとに失っていくこと、こぼしていくことの恐怖と闘うことになりました。
それと同時に、自分の輪郭が崩れていくのを感じ、
もうそれは元の形に戻らないのだということも理解しました。
 
冗談抜きで毎日、泣きながら東京で生活していましたが、
2ヶ月が過ぎた頃、我慢するのをやめました。
退職を決めてからの1ヶ月あまりは、
会社のエグさと社会の理不尽さを目の当たりにし、唖然としました。
背筋が寒くなり、笑顔は凍りました。
個人というものの弱さ、そして大きな組織の冷酷さと強欲さを実感しました。
 
季節はいつしか夏から秋、そして冬になり、
ようやく、ちゃんと心を使って生きることを取り戻した実感が湧いてきました。
それはこれまでの自分の肯定でもあり、周りへの感謝でもあり、
なにより世界の本質的理解でもあります。
とにかく、元気になってきました。
友人や昔の職場の方々、そして家族のおかげです。本当に。
 
今年は壊すか受け取るかばかりで、何も生産できなかったなあ。
まあ、これまで作ってきたものの価値すら、今の私には判断がつかないのだけど。
これから生み出していくものには、納得できる価値をつけようと思います。
 
自分がやりたいことすらできなくて、「人のため」に生きるなんておこがましい。
私はわがままに生きることにします。
わがままに生きる分、みんなのわがままも聞いてあげるんだから。
 
今年はこんな一年でした。
来年もまた、いい年になりますように。
 
■今年最後の本たち(しつこく)

宇宙創成(上) (新潮文庫)

宇宙創成(上) (新潮文庫)

宇宙創成(下) (新潮文庫)

宇宙創成(下) (新潮文庫)

金星の満ち欠けすら理解できなかった地学音痴を、うならせるほどの良書。
フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

調子に乗ってこっちも読んでいる、定期テスト28点の数学音痴。友達が読んでいるという話を聞いて。タイトルが直訳すぎて衝撃。
 
今年読んだ本は75冊です。(コミック除く)
仕事してたときの読書習慣は壊滅的でしたが、
元気が出てきた秋頃からは月10〜15冊ペースで読めました。
来年もこれくらいいけるといいな。