あああ、思春期。
先週末はえらいたいへんやった。
私はずっと前から、TVとかでちらちら観る岩井俊二監督の映像が好きで、
それでやっと、半年くらい前に「花とアリス」観てみたら
思春期女子のリアルな、きれいさばかりやない
ちょっとした冷たさとグロさと無関心さをも兼ね備えた作品やったから、
ああ、岩井俊二っていいなあ、と思いよった。
先週末、岩井監督の代表作やから観たいと思いよった
「リリィ・シュシュのすべて」を入手して、ぼけっと観よったら
えらいことしてしまったことに気づいた。
ありえんぐらいつらい映画なんやもん、あれ。
なんなん、あれ。
いじめっこも、いじめられっこも、
現実を、自分を、周囲を、大人を、受け入れられんってことが根本にあって
自分は一人ぼっちみたいに感じて、どうしようもなくなって、狂う。
みんな、根っこは同じやのに。
心をうまく閉じ込めておけない体を捨て去れば、共鳴し合えるのに。
一緒になけるのに。
あああ、思春期。人生で一番残酷な時期。人が人じゃなくなる時期。
そんな時期に私は何しよったかって、ただただ、部活と勉強やもん。
あとは、ただの大きな失恋。
でも、一緒に観よった彼氏曰く、世の中は、どうやらそうでもないらしい。
ひどく痛めつけあう世界があったんって。
そんなことみじんも感じんかった私は、
幸せやったんやろうなあ。有り難いことやったんやろうなあ。
でも、私が気づかぬふりをしとっただけなんやないか、とも思う。
きっと、痛みを与えたことも痛みを受けたことも、あったんやろう。
思い出せん。どうしても思い出せん。
なんやったんやろう、私の思春期。
道行くおじさんも、おばさんも、こういうのを乗り越えてきたんやろうか。
笑顔で電車に乗っとるこの子たちも、毎日こんな思いしよるんやろうか。
自分の子どもも、自分の知らんところでこうやって悩むんやろうなあ。
そんなことばっかり考えるようになって、毎日へとへと。
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後から調べてわかったけど、岩井俊二監督の作品は、
スウィートなものばかりではない。むしろ、ダークサイド。
勘違いはなはだしかった。ばかや。
で、久々に映画熱復活。
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私の好きな、「喜劇名詞/悲劇名詞」遊びもなかったし。
中原中也、まさかの森田剛やし。
生田斗真のダイエットは、よくわからんかったし。
グロいシーンは事後ばっかり見せるし。
台詞もシーンも、いかにも「文学的でしょ?」って言いたげに尻切れトンボな感じやったし。
そのせいで原作知らん人にとってみれば、ストーリーわかりづらかったと思うし。
なんで、2時間ちょいに収めようとするんやろ。
原作を漏らさず映画作ってみればいいやん。
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柴崎コウは、いつも同じような演技が多いけど、かわいい。
テーマも面白いし、最後はほっこりする。
やっぱね、ってなれるのがうれしい。特に今は。
今、ほんと毎日苦しいわ。胸がきゅぅうっ、ってなる。
生きるのってつらいんやなあ。